どうやったらテニスが強くなるのだろう?どうやったら試合で勝てるようになるのだろう?どうやったら勝ち続けることができるのだろう?勝者(以後”トッププレーヤー”と呼ぶ)を観て疑問に思うこと
なぜあの選手は試合に勝てないのだろう?とても鋭いフォアハンドを打てるのになぜ?フットワークがとても良いのになぜ?サーブが速いのになぜ勝ち続けられないのだろう?敗者を観て疑問に思うこと
その差はテクニック?フィジカル?メンタル?いやIQの差でありました。
数回に分けてTENNS IQをご紹介していきます。
勝つ選手、勝てない選手
両者を重ね合わせ、その差違を分析するとあきらかに対局する部分が浮かび上がってきました。
トッププレーヤーは各状況に応じて常に「正しい選択 “Correct”」ができること。
反対に勝てない選手は「誤った選択 “Incorrect”」を多くしてしまうこと。
勿論、この要素だけで試合に勝つことはできません。メンタル、テクニック、フィジカルは重要なファクターです。しかし「誤った選択」をしてしまえば十分な力を発揮することができません。
「正しい選択」をする。一見簡単そうにみえますが、対戦相手や心理状況、サーフェスや体調、環境、その他沢山の変動する要因に対して影響を受けてしまい、同じ選手でも全く違ったプレーをしてしまうのです。
トッププレーヤーはそのような変動する要因に対しても自らコントロールすることによって「誤った選択」を極力避けることができるのです。
「正しい選択」をする為には徹底したセオリー(基礎)を学び、理解を深め、そしてオリジナリティーを付け足していく。迷ったらいつでも原点に戻れるようにすること。
なぜテニスIQが必要なのか
今回取り組むTENNIS IQは通常の技術本のようなテクニックに関してではなく、状況に応じて「正しい選択」ができるよう、主に「認知・判断」のスキルを上げていく内容です。
そして最適なポジションを理解し「行動」に移せるようになっています。感覚だけに頼るのではなく、互換性のある言語として頭の中に専用ドライバをプログラミングをしておくことが狙いです。
また、テニスが進化していき、変化に順応し随時アップデートしていくためにも言語での理解は必然です。
プレーの原理原則ををしっかり学び、古今東西のセオリーを把握しておくこと。そこからバリエーションを広げ、自分自身のオリジナリティーを作り上げることがこのTENNIS IQのターゲットであります。
タレント性だけでは勝つことはできない
テニスはどうしてもここ(腕)に頼りがちで、センスやタレントなどが称えられる傾向があります。しかしセンスが勝利に直結するかというと必ずしもそうではありません。
それぐらい総合的なスキルが必要なスポーツです。今のスポーツではどれもそうでしょう。テニスも例外ではなくタレントがあってもアンフォースドエラーが多ければ当然と勝つことはできません。
センスに頼り過ぎて泥試合にもつれ込むと体力気力負けしてしまう。
打つ能力があるのに打ってはいけないシチュエーションでも打ってしまい勝てない。
身体能力がありすぎて3セット持たない。
そんな選手もよくみます。意外と長所が足を引っ張ってしまったりします
テクニックだけではなく思考も磨こう!
どんなに素晴らしいテクニックを持っていても、頭が正しく指示(正しい選択)をださなければ、充分に実力を発揮することができません。
ではその頭脳は持って生まれた才能やセンスであるかといったらそうではありません。練習の中で常に取り組むことによって鍛えることができるのです。
Uncomfortableな練習に耐える
練習の時からストレスに耐えるトレーニングをしましょう。試合を想定して意識的に正しい選択をできるように取り組みます。
ミスの原因はテクニックが足りないのではなく、間違った選択をしてミスしてしまう時が殆どです。打っていけないところで打ってしまう。
居てはいけないポジションにいてしまう。使ってはいけないツール使ってしまう。逆の言い方をするとトッププレーヤーほどこの間違った選択はしません。
練習でこの動作を繰り返すことによって、試合では自動的に判断できるようになり、体力、決断力の温存につながります。
メンタルも同時に鍛えよう!
テニス、フィジカル同様にメンタルもトレーニングして鍛えることができます。思考をはじめ、呼吸、姿勢、歩き方、ラケットの持ち方などでプレーの質が変わります。
これらは対戦相手、気候、天候、体調、サーフェス、変動要因がたくさんある中、変動しない要因を自らコントロールできるようにします。オンコートだけではなく日常の生活でトレーニングすることが可能です。
いくつかのテニスIQをご紹介
シーズンも関係無くコンディションを整えるのも大変です。どこで最適にその能力を発揮するか?いやどれだけ相手よりもミスをせずに無駄なポイントをしないようにするのか。
その中どれだけセオリーにのっとって攻められるか。沢山の要素が必要なスポーツです。考え方を変えるだけで勝利をものにできるスポーツでもあります。
いくつかテニスIQをご紹介していきます。質問形式になっていますので是非考えながら読んでください。
オフェンスのシチュエーション
今回は攻撃の時などにおこるシチュエーションです。序盤と終盤ではショットの重みが変わります。その心理状況を理解しながら取り組むショットでもあります。
オープンスペースができたのにボールが決まらない。気にしなければ決まるショットですが、相手が目に入ったり、終盤の重要なポイントで身体が硬くなったりと色々な要素がある中でも必ず打つ機会のあるシチュエーションです。
このシチュエーションになった時をベースに考えて練習に取り組まなければまったく違ったものになってしまいます。
シチュエーション
・ゲームは4-4、30-30と誰でも緊張するシチュエーション
・すでにTo the backhandをしつこく打ててる
・相手はラットショットを警戒し、重心がバックサイド側になっている
・相手はポジションもバックサイドよりになってきている
・ここではダウンザラインを選択する事にした
どのようにして打つのが最適であるか?
回り込みダウンザラインを選択。最適なツールは何?
アンサー:緊張したときに選択するスイングを決る。
まずは”ふかす”リスクを除外しよう!その為にはウィンドミルのスイングが最適であること
4-4の30-30というトッププレーヤーでも緊張するポイントである。トッププレーヤーは緊張しないのではなく緊張したときに選択するスイングを決めている。
恐れることはボールをふかす(打点やスイートスポットにブレでアウトする)ことです。ふかすリスクを減らし、身体の重心が流れサイドアウトする恐れもあるので、ここではウィンドミルを選択しましょう。
そしてダウンザラインであるが直線ではなくフックショットを打つことによって直球よりも角度がつきます。その為にもボールの外側をとらえること。やはりウィンドミルがこの状況では最適な選択です。
■ワンポイント■ 直球で速いボールより、フックショットの重いボールの方が、相手の重心をずらすことができるので結果エースにつなげることができる。また確率も落とさず打つことができるのです。
最後に
意外と簡単ではないショットです。練習の時にどれだけこの緊迫した状況を作れるか。それをイメージしながら毎回反復動作をおこなうかでいざこのシチュエーションになったときに変わります。
是非持っておきたいしょっとなので日々この状況、そしてプレッシャーのかかった状況を思い描きながら取り組むようにしてください。