基本テニスは自分の調子がいいからといって確実に勝てるスポーツではありません。テニスに限らずスポーツ全般にいえることだと思います。
そんな中でもそれらを超越して一年に一回あるかないかぐらいの回数でしたが「負けないテニス」が確立された時がありました。
フィジカル、テクニック、メンタルそして運までも自分の思い通りに動いてしまうという錯覚をしてしまうぐらいでした。「俺、今日負けないな」と思えるのです。
そのような時にどのようなプレーをしたりまた心境状況だったかを今回お伝えしていきたいと思います。
アプローチのセオリーが確立されてる
どのようなラリーになっても常にアプローチを狙っていました。To The Backhand、アングルショット、ラットショットそれらはアプローチに持って行くためのツールです。
アプローチに持っていけば力尽くでない限り70〜80%ぐらいはポイントを取ることができました。
一見無防備にネットへでてもポイントを取れてしまっていたと思われがちですが、それぐらいの確実性がなかったらネットにでませんでした。
ボールの見極めて嗅覚が鋭かったのだと思います。
フォアを構えたら相手はいつも関節を外してくれた
ご存知のように僕はパワープレイができるタイプではなく力でねじ伏せるでタイプではありません。当然と爆発的な一発のフォアハンドを持っているわけではありません。
しかし僕がフォアを構えて意識的に肩を入れて構えただけで相手は関節が「カクンッ」と外れてしまったように身動きがとれないのです。
理由として肩を入れてコースを隠しそして最後の最後までどちらに打つかとのが分かりずらかったのだと思います。
意図的に分からないように打っていたので最後までどちらに打って来るか判断がつきづらかったのでしょう。
サービスゲーム0−40からでもブレークされる気がしなかった
これもたまたまラッキーで取られなかったこともあるのですが、自信とは良い意味での勘違いでもあると思うのでこういう偶然と一緒に重なることがたまにあります。
1回戦でマッチポイントを凌いでからの勝利。そこからあれよと優勝してしまったりと。予選で負けてラッキールーザーで本戦に繰り上がってあれよと優勝したりと本当に勝負の世界というのは分かりません。
その1本が入らなかったら、あのネットインがなかったら終わっていたなどという試合も少なくなかったです。
僕はそこまでのビックサーブでは無いのですが、サーブの配球がバッチリ合い、コンシステンシーな3球攻撃でサービスゲームの主導権を握れていたのも大きな要因です。
スライスで相手の攻撃を封じた
相手の得意なフォアハンドの攻撃をスライスでディフェンスすることによって全く機能させませんでした。
今思えば少し攻撃的なスライスであったなと思いますが、ベースライン後方からもかなり相手の攻撃性をそぎ落とすスライスを打つ事ができました。
ディフェンスからオフェンスのトランジション
これは一番大きな要因です。相手からすると、攻撃していたのがいつの間にかディフェンスをさせられしまってる。これは脅威だったと思います。
このトランジションも色々ありますが僕の場合はパワーで押す一発を持っているわけではないので相手は「攻めていたのになぜディフェンスになっちゃったの?」と不思議に思っていたことでしょう。
基本テニスは調子がいいからと言って勝てるスポーツではないことをお伝えした前回のエントリーでした。
しかしその中で超越して「負けないテニス」が確立された時の話の続きです。
フィジカル、テクニック、メンタルそして運までも自分の思い通りに動いてしまうなんという錯覚をしてしまうぐらいの自信でした。
今回はスキルよりかもメンタルやポジションなどの比率が高かったです。一見観ただけでは違いが分からないけど実は大きな差が生まれる部分であります。是非お楽しみ下さい。
トランジションからの嗅覚
相手がひるんだら、そしてミスをさせたり相手が打ち損ねたら一気に形成を逆転をして攻めに転じるようにします。
DOLIDOLIで相手の重心を崩したり、ディフェンスのTo The Backhandで攻め急がしたりとディフェンスからオフェンス転じること。
カウンターを狙ったりと、とてもリスキーに感じるるかと思うのですがそういうわけではなく相手の体勢を見極めながらオフバランスを狙い攻めに転じるようにしていました。
相手を常に極度の緊張下でプレーをさせる
前後の動きが早くて相手は緊張に押しつぶされ最終的にアンフォースドエラーを繰り返すようになります。
少しでも短いボールはアプローチを打って前にでるという牽制球を打っていたので、そのボールの手応えによってある程度短いボールを予測していました。
予測通りの場合の判断を素早く入りアプローチに持って行く。そのアプローチの成功率が高いと、そのもののポイントだけの効果を見込むわけではありません。
短いとすぐに攻められる為に神経を使いアウトしてくれたりとアプローチにでる前に決着がつく場合がありました。
プレーキャンセル そう「抜く」ことができた
攻めるときは前に入り守るときは後ろに下がる。予測外だった時は瞬時に予測外を予測しているのでやろうと思っていたことを瞬時に選択しない判断をします。
そのまま気にせず打ったらミスしてしまうので我慢すること。相手の手に乗らなかったこの判断、プレーキャンセル力は相手もかなりのジレンマとストレスを感じることでしょう。
今、自分がどこに立っているのか
このポジションの立つ場所はプレーの幅を大きく変えてしまいます。その判断力はとても大きいです。
騒々しい場所で指向性スピーカーから流れる音を聞くようにそのピンポイントの場所でしか聞こえない音と同じです。そのポジションでなければ守り切れない、攻めに転じれない、ミスを誘えない最適なポジションに立てていたのだと思います。
フィジカル的な自信
腰の位置が常に地面と平行に走り、まるでスーパーカーのようにスピードが乗りながらも変幻自在な動きをしていました。
無駄な動きもないので体力の温存もできている。効率よいフットワークができていました。
どこからでも相手の頭上を超えるトップスピンロブ
相手が大変に驚いてくれるのがこのトップスピンロブです。特別にトップスピンがかかっているわけではありません。毎回ベースラインギリギリに打つわけでもありません。タイミングが全てです。
ジャンプしたくてもできないようにスプリットステップのタイミングを外し、そしてサイドを警戒させることによってより頭上の判断を鈍らせます。
最後に
究極のゾーンいかがだったでしょうか。テニス、スポーツに限らず勉強などでも(僕ははいったことない)このゾーンというのはいつの間にかスイッチが入ります。
科学的にはまだまだ解明されていない分野でもありますが、今回アウトプットしてみて気がついたのは「小さな積み重ね」ではないかと思います。
取りこぼしをせずに、最適な場面でポイントを終わらせる1,000個の色々な要素がグニャグニャと混ざり合いクロスすることで生まれるのではないかとの憶測に基づいた仮説でありました。