基本的に僕が他の選手より優れているこれだという得意なショットを挙げるのはとてもむずかしいです。その為「戦術」という漠然的なものを挙げていますが、どの部分を指すのか今ひとつはっきりしません。
自己分析をしてみると相手の得意なショットやなぜだかエースを奪っている瞬間など目にすると深掘りする癖がありました。なぜそのようにポイント取れるのか?試合を観ながら、試合をしながらその相手の得意な技を盗むことができました。
前回の続きになります。
その中の一つとして「アプローチ」がオフェンスのコアとなるものでした。どのようにしてアプローチに持っていったかのか僕の例を出していきたいと思います。
To The Backhandで短いボールを誘う
これは92年の中国選のデ杯を観ててこのような戦い方があるんだとたまげた覚えがあります。
その後、感覚的に練習していたのでしょう。僕と同じぐらいのサイズの中国の選手があの全日本2連覇の山本育史さんに対して主導権を握っているそれもサービス&ボレープレーヤーではないのに常にネットを奪うのを観ててこのような戦い方があるのだ肌で感じました。
修造さんの試合でもじっくり戦い、バックで下がりヘビーボールを相手のバックに打ち前に入る。このパターンを観てて「自分もマネ出来る!」と感覚的に思いました。
この時に生で見た戦い方はとても鮮明に覚えています。
バックハンド・ダウンザラインで相手の体制を崩す
これを軸に戦おうと思ったのは92年のデ杯観戦後の確かジャパンオープンの予選に出場できる機会があり、その時に初めてATPの予選に出場したときに戦ったスウェーデンの選手、Wahlgren選手と戦います。
意外と自分のバックハンドのダウンザラインがこのATPの選手も嫌がっているんだと感触がありました。
その後アプローチのダウンザライン、バックハンドのダウンザラインも含めてかなり精度を高めるために練習してたのを覚えています。
ただもう少しクロスの精度を高めればもっとこのダウンザラインが活きたのだと思っています。
フォアハンドクロスコートで相手の体制を崩す
こちらはフォアで主導権を握っている選手に対してよく用いた戦術であり、フォアハンドの得意な選手に対してあえてフォアハンドクロスコートに打ちました。
理由はフォアの得意な選手は常に回り込みの計算を入れながらスプリットステップをしています。
そのためにも常にバックに回り込もうとしている重心の逆をつくようにしました。通常得意なフォアハンドに打たせたくないので意識的にも無意識にもバックを狙います。
フォアハンドの得意な選手はバックに打たれるのは慣れているので、折り込みずみで回り込んで攻撃してきます。それがフォアハンドの得意な選手の特徴です。
そのこちらも意識的、無意識に予測している回り込みしているのを常に覆すようにフォアハンドクロスを打つことによって見事バランスを崩してくれるのです。返球は短くなるのでアプローチに持っていきます。
当時はライジングでクロスコート打っていたのでボールも弾まず鋭いボールがクロスコートに逃げていくそんなショットを意識的に打ちました。ちなみのこのイメージは伊達さんです。
最後に
何で勝負をするのか明確にしどのようにしたら自分はその得意なパターンに持っていけるかを考えて組み立てていきましょう。そして大事なのは得意なパターンになるまで「我慢」する事です。